東アジア・ニュースレター Vol.114

海外メディアからみた東アジアと日本 - 2020年6月

前田 高昭
金融翻訳ジャーナリスト
バベル翻訳大学院教授

中国の今年の経済政策に変動が起きている。年間成長率の目標設定を見送り、債務と財政赤字の拡大に踏み切った。成長率より雇用創出、企業の支払い能力維持、食料とエネルギーの確保そして家計所得の安定など民生の安定重視に舵を切り、そのためになり振り構わぬ大規模な財政出動に走っている。人民銀行も国債の大量消化その他の財政刺激策を補完するために緩和政策に動き、資金の直接投入のために新たな政策手段を創設するとみられている。経済成長率の設定見送りは指導部内で大きな物議をかもしたと観測されており、今後、内政面への影響が注目される。

台湾関係では、中国の反分裂国家法が制定15周年を迎えた。同法は「非平和的手段」による台湾独立派の弾圧を合法化した法律である。この機会に中国軍トップが台湾支配掌握のために必要であれば、軍事力を行使すると直裁に警告した。メディアは、平和的統一の実現が遠のいているとの中国側認識を示すと論評する。他方、台湾では蔡総統が圧倒的な勝利で再選を果たし、コロナ制圧にも成功、米国の支援も強固で万全な状況にある。とはいえ、平和的統一の実現が遠のいていると認識する中国が、今後、どのような手を打ってくるか、予断を許さない状況にある。

韓国は早期にコロナの感染拡大防止に成功し、そのために経済の落ち込みが他国に比べて少なく、第1四半期の経済は1.4%増とプラス成長を維持した。経済の落ち込み抑制要因として、都市封鎖の回避、大型財政刺激策の迅速な発動、予算支出の加速、半導体など戦略分野への融資強化、韓国銀行による金融緩和策、大手企業による人員削減回避努力などが挙げられている。今後の課題として、輸出依存型経済を取り巻く海外環境の厳しさが指摘されているが、主要輸出品である半導体への需要が世界的に好調であり、大きな救いとなるかもしれない。

北朝鮮による不正資金調達の手法のひとつが摘出され、その中核となっていたのが、国営のFTBであることが確認された。工作員を使って多数のダミー会社もしくはシェルカンパニーを創設して多額の資金を北朝鮮に環流させ、また核やミサイル生産に必要な物資を購入していた。これに中国のみならず、米欧の銀行が複数行関与していたことが注目される。米司直の手によって事件の全容が解明され、再発防止につながることに期待したい。

東南アジア関係では、シンガポールの銀行が混乱の続く香港から逃げ出した資金の受け皿として注目されている。4月にシンガポールの銀行にある外貨建て預金が過去1年間に約4倍も増加した。香港がアジアの金融ハブとしての地位を後退させるなかか、シンガポールがセイフヘイヴンとしての役割を増しているといえるが、シンガポール当局はライバルの金融センターの混乱に乗じるという印象を避けるため資金流入の実態を公開していない。また、これには中国を怒らせないよう神経を使っている面もあるとメディアは指摘する。

インドモディ政権は、早い段階で都市封鎖を命じるなど早期にコロナ対策に乗り出したが、経済が甚大な被害を受けたため、感染者が増加するなか、経済の再開に踏み切った。メディアは、これを危険な状態だと懸念を表明、政府に適切な対応を求めている。モディ政権は景気刺激策を発表しているが、国内総生産の1.5%程度の小規模に止まっている。政府は、さらなる経済のてこ入れをするか、都市封鎖の再導入などの経済活動の制限を再度強化するか、重大な岐路に立たされている。

主要紙社説・論説欄では、コロナ禍の日本の政治、経済、社会に与える影響に関する論調や報道を観察した。メディアは、コロナ禍が重荷となり経済は不況に陥り、巨額の不良債権がメガバンクを襲うと見込まれ、企業は在宅勤務への対応に苦労していると指摘する。その一方で、企業に積み上がった現金がコロナ後の日本企業の発展につながる軍資金となるとの見方も示す。また安倍首相の「日本モデル」でコロナを克服したと主張しているが、次の感染の波で覆される可能性があると批判する。

北東アジアの経済

中国

今年の経済政策について

今年の全国人民代表大会(第13期全人代第3回会議)が5月28日、閉幕した。全人代では慣行となっている年間経済成長率の目標を設定しなかった。翌29日付ブルームバーグ記事「What We Learned From China’s Annual Economic Policy Meeting (中国の年間経済政策会議から学んだもの)」は中国のこうした今年の経済政策について、財政政策が加速して金融政策はサポートへ、インフラ支出は新テクノロジーに大きく傾斜、と述べ、概略次のように報じる。

中国は今週、最も重要な年間政策会議を終了した。政府は、数十年間続いてきた慣行を放棄して経済成長率の目標設定を見送来ると同時に、借入金を大幅に増加させる方針を打ち出した。また経済てこ入れ策には、およそ3.6兆元(5040億ドル)の債券の追加発行と財政赤字の拡大が含まれていた。財政赤字は広義に解釈すると現在、国内総生産(GDP)の約11%に達しているが、中国は今年、コロナウイルスによる経済の低迷に備えて財政支出を13%も増加させようとしている。以下に、全人代での経済政策の重要施策をまとめた。

第1に、GDPより雇用が優先することになり、成長率の数値目標が見送られた。これは数十年で初めてのことである。これに代わって数値目標には、貧困の削減、地方に900万人以上の新規雇用の創出、3.5%程度のインフレが盛り込まれた。経済成長率の具体的目標設定を見送ったのは、全ての政府機関がGDP成長率と連動している国としては珍しい。この決定は、今年の経済成長が勢いに欠けるという現実が中国政府内で次第に受け入れられたことを物語っている。またそれにより、大規模景気対策の追加や債務の積み上げを避けたい政府として、大いに余裕をもって政策運営に当たれることになった。

これに代わり政府は、失業率の低下や企業の支払い能力維持、食料とエネルギーの確保そして家計所得の安定の必要性を強調している。労働力の半分を占める都市部の公式失業率は4月に6%を記録し、政府は今年の失業率をこの水準で維持することを狙っている。なおコロナ危機で100万人の雇用が失われた。李克強首相は全人代の閉幕に当たり、雇用、生活そしてビジネスを守れば、今年の健全なプラス経済成長のできる限りの達成と着実な経済発展の維持に役立つと語っている。

第2に、財政出動は当初予想されたよりも大規模となり、公式の財政赤字はGDPの3.6%を上回ることになった。特別インフラ債券の販売目標は3兆7500元、ウイルス対策用ソブリン債は同じく1兆元となった。企業には社会保証料と税金の支払いを猶予するとした。

全人代で公表された今年の広範な財政出動は、ブルームバーグのエコノミスト試算によれば、政府が計画の全額を支出すると見込んで実質的にGDPの約11%に達する。今年の財政出動をGDPの約9%とする別の試算もあるが、その場合は他の主要国が公約した景気対策よりも控え目となる。いずれにせよ、本誌の試算によれば、政府支出は予想経済成長率を上回るスピードで増加し、総額で37.4兆元に及ぶことになろう。

とはいえ李首相は、状況によってはさらなる措置を講じる、と記者団に語っている。
同氏によれば、経済その他の面で大きな変化が起きれば、財政、金融、社会保障その他の分野での政策の余地を残しており、躊躇なく新たな政策を導入できるという。

香港にあるバークレイPLCの中国エコノミスト、チャン・ジアン氏は、中国政府の政策当局は最近数年間に経済が落ち込んだ際、「いくつかの新たな指標となる原則」を立案し、これには抑制され計算され方法による政策緩和への目に見える形でのシフトが含まれていると書き記している。政府は「慎重さへの傾斜と、一挙でなく計算されたペースで景気刺激策を発動する」ことになりそうである。

第3に、金融政策は信用拡大の加速を目標におき、中銀の金利と銀行の支払い準備率を引き下げ、信用は2019年より大きく拡大、資金が直接経済に届くようにする新たな政策手段を考案した。中国人民銀行は今年、国債の大量消化その他の財政刺激策を補完するために金融緩和政策に動くと予想される。このため信用拡大のペースは昨年よりも「大幅に高まる」とみられる。政府幹部は、債務増大に対する忍耐度は昨年よりも高まったと認めている。

また李首相の政府活動報告は、経済に資金を直接注入する新政策手段について触れているが、それがどういうものかについての詳細は示していない。米連邦準備理事会(FRB)の中小・中堅企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」のようなものとの観測が浮上しているが、人民銀行の易鋼総裁はそうした希望的観測を認めていない。いくつかの既存政策手段、例えば、中銀のベースマネーを小規模企業などの目標とする分野に投入する再融資制度は企業向けの「直接的な」融資を向上させたと易総裁は声明文で述べ、金融緩和策に活用するために計画する5つの手段を記載している。これは人民銀行が経済を過剰流動性で溢れさせるよりも、金融政策の有効性の向上に注力していることを示唆している。なお全人代は今年、人民銀行に関する法律の改正に着手するとみられている。

第4に、インフラ強化はすべてテクノロジー関連であること。中国は次世代ネットワークと5Gアプリの建設を加速しようとしている。新エネルギー自動車、スマート製造、産業高度化に的を絞っている。政府は、次の重点目標がハイテク・コミュニケーションの推進にあるとの従来の政策意図を確認している。これらの分野において米国を追い越すために1.4兆を注ぎ込んでいる。李首相の活動報告は、「新インフラと都市化計画、主要プロジェクトが優先される。これによって消費と国民の福祉が推進されるだけでなく、構造的調整が容易になり、成長の持続性が向上する」と述べている。

以上みてきたように、コロナ危機を経て中国の経済政策に大きな変動が起きている。年間成長率の目標設定を見送り、これまで回避してきた債務と財政赤字の拡大に踏み切った。成長率より雇用創出、企業の支払い能力維持、食料とエネルギーの確保そして家計所得の安定など民生の安定重視に舵を切り、そのためになり振り構わぬ大規模な財政出動に踏み切った。中国人民銀行も国債の大量消化その他の財政刺激策を補完するために金融緩和政策に動き、かつ資金の直接投入のために新たな政策手段を創設するとみられている。経済成長率の設定見送りについては、指導部内でも大きな物議をかもしたとの憶測が流れており、今後の内政面でどのような影響が出てくるか注視したい。また人民銀行が検討中とされる新政策手段の中身と効果も注目される。

台湾

香港情勢をめぐり強硬姿勢を強める中国

 香港問題をめぐり米中対立が高まるなか、中国政府は再び台湾に対する脅迫的姿勢を強めている。5月29日付ワシントン・ポストは冒頭で、最近の香港情勢とこれをめぐる米中関係について次のように報じる。

中国の全国人民代表大会(全人代)は5月28日、香港における抗議その他の政治活動を犯罪行為とする新法案に関する計画を承認した。これにより香港の「1国2制度」は実質的に終了することになった。ポンペオ米国務長官は、新法案を香港自治にとって「弔いの鐘」となると評し、香港はもはや自治体とは認められなくなったと主張、米議会に対して米法律で許容している貿易面などでの特恵的地位を剥奪するよう呼びかけた。

 これに対して中国政府は、中国による香港支配強化の動きをトランプ米政権が懲罰しようと試みれば、中国政府も対抗措置をとると警告した。米政府も直ちに応酬し、これは中国政府による典型的な不正行為だと非難、そうなれば米国内法に基づく香港の特権的地位を剥奪する措置を講じると宣言した。さらにコロナ流行も隠蔽したとの疑問を再提起し、米国はトランプ大統領が中国寄りと主張する世界保健機関との関係を終了させると宣言した。

 記事は上記のように報じたうえで、中国政府はもう一つの分野として台湾問題を取り上げ、独立宣言に向けた台湾のいかなる動きも、軍事行動をもって「断固として粉砕する」と警告したと伝え、これにより米国を巻き込んだ地域紛争の発生が見込まれることになったと懸念を表明、中国外務省の趙立堅報道官が、トランプ大統領の「気まぐれな制限」に対して報復すると恐喝し、米国は事態を明確に把握し、香港問題への干渉を止めるべきだと発言したと述べ、さらに次のように報じる。

 2005年の第10期全国人民代表大会第3回大会で採択された反分裂国家法(Anti-Separation Law)が今年、15周年を迎えた。同法案は10条よりなる簡単な条文だが、台湾が独立を宣言した場合、台湾独立派分子に対する「非平和的手段」を取ることを合法化している。中国共産党中央軍事委員会委員で連合参謀部参謀長の李作成氏は、15周年に当たって、台湾の支配を掌握するために必要であれば、軍事力を行使すると確認した。同氏は、台湾の平和的統一の可能性が失われた場合、人民解放軍は、台湾人を含む全人民と共に必要な全ての対策を講じて、分離主義者の陰謀や行動を粉砕する、と北京の人民大会堂で語った。

 こう報じた記事は、中国は長らく台湾支配のために軍事力の行使を放棄しないと述べてきたが、上記の表現はエスカレートしてきていると指摘、これは中国政府が平和的統一の実現が遠のいていると認識していることを物語っていると評する。同時に記事は、中国が台湾に限らず、地政学的な分野で全面的に攻勢を強めていると述べ、インド国境での軍事的緊張の高まり、南シナ海での紛争激化、豪加との関係悪化などを挙げる。

 そうしたなか、台湾は中国語を話す人たちにとって民主主義の牙城としての地位を確保し、香港のデモ活動を支援してきたと指摘、米国とも緊密な関係を維持し、軍事力の強化などで援助を受けていると述べる。また米政府はモラル面でも台湾を支援しているとして、蔡英文総統が再選された際には、これを祝福し、コロナウイルス封じ込めの成功を国際社会と共に賞賛したと伝え、さらにこうした一連の動きに怒った中国政府は、蔡総統の再選後、台湾の世界保健機関におけるオブザーバーの地位を剥奪したと報じる。 

 記事は最後に、しかし蔡総統は、中国が香港の国家安全法の制定推進を決定した後、台湾は自由を愛する香港人を歓迎すると表明、香港の民主主義と自由は地域の平和と安定のために重要であり、そのために戦う決意の香港市民の支援を続けると述べ、香港市民の台湾定住を可能にするための完全で明確な人道支援計画に向けて台湾の法整備を進めると宣言した、と伝える。

 以上のように、香港国家安全法の導入をめぐり米中関係の緊張が高まるなか、「非平和的手段」による台湾独立派の弾圧を合法化した中国の反分裂国家法が制定15周年を迎えた。この機会をとらえ中国軍トップが台湾の支配を掌握するために必要であれば、軍事力を行使すると、直裁に警告を発した。これについて記事は、中国政府が平和的統一の実現が遠のいていると認識していることを物語っていると論評する。対する台湾は、蔡総統が圧倒的な勝利で再選を果たし、コロナ制圧にも成功、米国の支援も強固で万全な状況にある。とはいえ、平和的統一の実現が遠のいていると認識する中国が、今後、どのような手を打ってくるか、予断を許さない状況と言えよう。

韓国

コロナ後も好調を維持する経済

コロナウイルスをうまく抑え込んだ韓国が経済面でも好調だと6月5日付ウォール・ストリート・ジャーナルが伝える。記事は、韓国は世界でも早い段階でコロナ感染が拡大したが、1―3月期(第1四半期)の国内総生産(GDP)はプラスを確保した報じ、各国の成長率が大幅なマイナスに落ち込む中でまれに見る偉業だと評価する。その一方で、政府の積極的な支援に加え、大規模なロックダウン(都市封鎖)を回避したパンデミック戦略が今後も経済を押し上げられるかが課題となると指摘、エコノミストは輸出依存型韓国経済にとって、コロナ感染拡大を背景とする世界的な景気低迷が足かせとなり、持続困難だとみていると述べ、5月の輸出は前年同月比24%減と、マイナス幅は4月の25%からほとんど改善していないと報じる。

 記事によれば、韓国経済の第1四半期GDPは前年同期比1.4%増となる一方、欧州連合(EU)は2.6%減、中国は6.8%減だった。米国は前年比0.2%増で、ここ約10年で最悪の水準に沈んだ。経済協力開発機構(OECD)加盟国で韓国よりも成長率が高かったのは、ハンガリー、リトアニア、ポーランド、トルコのみで、いずれも2月末以前はコロナ感染者が報告されていなかった。延世大学校のサン・テユン教授(経済学)は「韓国はコロナの封じ込めに成功したことで都市封鎖を免れ、成長率の悪化を食い止めた」と述べる。また自宅待機命令で世界的にネット利用が急増したことが、韓国にとって想定外の追い風にもなった。最大の輸出品である半導体(韓国企業の世界市場シェアは約6割)への需要が、GDPを0.7ポイント押し上げた。

 中国に次いでコロナ感染が大きく拡大していた2月も、2つの要因が韓国経済を下支えしていた。第1は、2020年度予算案の支出加速である。地方当局者やエコノミストによると、予算の約35%を1-3に集中投入した。これは少なくともここ10年で最速の前倒しペースである。また半導体製造向け化学製品の開発やスタートアップ・中小企業向け融資への配分を倍増させ、労働省は雇用創出向けの補助金に予定を50%上回る資金を振り向けた。第2に、大手企業は一時帰休や減給を使って、人員削減を回避した。労働人口の縮小(90年終盤のアジア金融危機以来の大きさ)も背景にある。農業や医療セクターでは、雇用が増えた。

 さらに記事は政策当局の対応について、財政刺激策はGDP比12%超に相当し、米欧の刺激策と同じ規模であり、政府はまた、感染が急拡大していた2月半ば以降、通常予算からの支出を加速し、今週には、補正予算を通じてさらに280億ドルを注入すると発表したと報じ、これは単一の補正予算としては過去最大規模だと述べる。金融政策については、韓国銀行(中央銀行)は先月、今年の成長率予想を従来予想のプラス2.1%からマイナス0.22%に下方修正し、政策金利も25ベーシスポイント(BP)引き下げ、過去最低の0.5%としたと伝える。今後の厳しい見通しに備え、韓国政府は融資や優遇税制、手当て、現金支給などの形で刺激策を継続的に注入する構えであり、最近の補正予算(280億ドル)を加味していない段階で、支出規模は約2000億ドルと、GDP比122%に相当すると報じる。

 また記事は、こうした政策対応の他に経済が好調を維持している要因として、韓国は感染拡大が深刻な時期でさえも、景気の勢いを維持する手立てを示したと指摘、広範なコロナ検査を実施する一方、大規模な都市封鎖ではなくウイルス接触の徹底追跡に注力したことで、人々は外出を許され、レストランやバー、小売店もほぼ通常営業を続け、個人消費の落ち込みを抑制したと述べ、失業率は4.2%で、ほとんど変わっていないと補足する。

 ただし記事は最後に、こうした政策の限界について次のように報じる。財政刺激策はこれまでのところ、景気低迷による悪影響の一部を和らげているようだ。ソウル市内のホテルやレストランの業界団体は、売上高が底入れしており、ここ数週間でやや改善したとの報告も出されている。前出のテユン氏は、政府の追加支出は消費や雇用といった主要データを押し上げるだろうとしながらも、大部分は1回限りの現金給付で、長期的な景気押し上げ効果はないと述べ、職業訓練向けの奨学金や投資誘致のための減税など、政府資金を投資として使う方が望ましいと語っている。

 以上のようにコロナの感染拡大に成功した韓国は、そのために経済の落ち込みが他国に比べて少なく、第1四半期の経済は1.4%増とプラス成長を維持した。経済の減速を和らげた要因としては、特にコロナ制圧のために都市封鎖を回避できたことが大きいと言えよう。政府もまたコロナ後の経済を下支えするために矢継ぎ早に政策を発動した。大型財政刺激策に加え、予算支出の加速、半導体など戦略分野への融資強化、韓国銀行による金融緩和策などである。さらには民間でも大手企業による人員削減回避努力などが貢献したとされる。今後の課題として、輸出依存型の経済を取り巻く海外環境の厳しさが指摘されているが、主要輸出品である半導体への需要が世界的に好調であり、大きな救いとなるかもしれない。

北朝鮮

摘発された核開発の資金源

 謎に包まれている北朝鮮の核開発資金源のひとつが摘発された。5月28日付ニューヨーク・タイムズと同29日付ウォール・ストリート・ジャーナルの両紙は、米司法当局が28日に2月の起訴状を公表し、北朝鮮の違法送金に関与したとして30人余りを一括起訴したと伝える。被告らは2013年以降、外国のダミー会社を利用して少なくとも25億ドルを送金しており、ニューヨーク・タイムズは、事件はトランプ政権が北朝鮮政府による核兵器開発を外交的に解決できないことを物語っていると論評する。

 起訴状によると、北朝鮮の当局者と代理人は同国の主要な外国為替取扱銀行「フォーリン・トレード・バンク(the Foreign Trade Bank of the Democratic People’s Republic of Korea. 以下、FTB)」の支店をタイ、オーストリア、ロシア、中国などにひそかに開設して運営、同行支店から多数のダミー会社を立ち上げて商品調達や禁止されている米ドル取引を行っており、1月にもそうした取引があったという。起訴されたのはFTB会長をはじめとする28人の北朝鮮人と5人の中国人である。

 ニューヨーク・タイムズ記事によれば、被告の中には、シェルカンパニー創設のために、中国、オーストリア、リビア、クエート、タイ、ロシアなど海外を転々と移動した者もおり、北朝鮮との関連が政府や銀行筋に探知されるとこれらシェルカンパニーを閉鎖して新たなものを創設し、北朝鮮に米ドルを環流させていた。さらにこれらシェルカンパニーは、制裁措置の下で北朝鮮との取引が禁止されている企業から数十万ドルもの物資を購入していた。また容疑者らは中国、米国、欧州にある銀行を経由して取引していたとされているが、これらの銀行は北朝鮮との関係や違法な売却を否定していた。これにより北朝鮮政府は過去5年間で銀行に凍結されていた6350万ドルの資産を回収したとされる。

 記事はまた、北朝鮮の弾道ミサイルや大量破壊兵器開発プログラムの資金源を断つため、米国は対北朝鮮制裁の一環として、世界の金融システムから北朝鮮を排除しようとしているが、今回の出来事は米財務省がFTBを制裁対象に指定した後のことだったという。同時に記事は、この起訴をとおして米国は米金融制度に不当に利用して違法な核兵器開発をする北朝鮮の能力を阻止することを示した、との検察関係者のコメントも伝える。

 さらに過去の米朝首脳会談の経緯について触れつつ、トランプ米大統領は大統領選を控えて今年は金委員長との会談を望まないと語っていると伝え、トランプ政権としては北朝鮮抑止に失敗したことを思い出させないようにしてきたと指摘する。しかし北朝鮮は野心を緩めず、先月、米政権は北朝鮮が資金の窃取と洗浄のために、またデジタル通貨を使って大量破壊兵器と弾道ミサイル計画向けの資金を創出するために、サイバー攻撃を仕掛けてきたと非難したと報じる。さらに記事は、北朝鮮はこれまでのところ今年は核実験を行っていないが、金委員長は今週、軍首脳部との会合で核能力を「いっそう増大させるための新政策」について討議したと報じる。

 以上のように北朝鮮による不正資金調達の手法のひとつが摘出され、その中核となっていたのが、国営のFTBであることが改めて確認された。工作員を使って多数のダミー会社もしくはシェルカンパニーを創設して多額の資金を北朝鮮に環流させ、また核やミサイル生産に必要な物資を購入していた手口が暴露された。これに中国のみならず、米欧の銀行が複数行関与していたことが注目される。米司直の手によって事件の全容が解明され、再発防止につながることに期待したい。

東南アジアほか

シンガポール

香港から資金を惹き付けるシンガポール

 デモで揺れる香港から預金が流出し、シンガポールの銀行に流入していると6月5日付フィナンシャル・タイムズが報じる。記事によれば、シンガポールの銀行は過去12ヶ月間に外国預金者から記録的な資金を呼び込んでおり、これにはアジアにおけるライバル金融センターである香港からの資金が含まれているとシンガポール市当局は語っている。こうした資金流入は、コロナウイルス危機によるグローバル経済の不確実性とデモや中国政府の国家安全法の導入によって打撃を受けた香港の政治的混乱に伴うものである。シンガポールの事実上の中央銀行であるシンガポール金融管理局(MAS)は、19年の中頃から香港を含む多数の国、経済圏から幅広い範囲の非居住者の預金が増加していると語っている。

 MASは流入した資金の内訳を公表していないので、香港から流入した資金量は不明だが、返還後の最大の政治的危機に直面している香港からの資金流入をシンガポール当局がこれほど強調して認めたることはあまりない。香港で民主化を求める抗議デモが1年前に始まって以来、シンガポールは問題を抱えるライバルに乗じているとの印象を与えないよう慎重に振る舞ってきたが、それが中国政府を怒らせないためと理解した者も多い。4月にはシンガポールの銀行にある外貨建て預金は過去1年間に約4倍も増えて270億シンガポール・ドルに達し、非居住者預金も620億シンガポール・ドルと44%増加した。この両数字とも、記録を取り始めた1991年以来の最高値である。

 さらに記事によれば、MASは、資金流入が最近、パンデミックとそれによる市場の変動に伴って流入量の動きも激しくなっていると語り、香港で営業するシンガポールの銀行幹部は、個人やプライベート銀行の外貨預金が昨年4月以降、平時より多い20%程度増加していると述べている。ムーディーズの上級クレジット・オフィサーは、ストレスの多い時期にシンガポールの外貨預金が急増するのは予想されたことあり、シンガポールの安全な避難所(セイフ ヘイヴン)としての地位の故であると指摘する。

 またコロナ対策のために外貨建て借り入れを行う企業もシンガポールでの外貨預金増に貢献している、とムーディーズのクレジット・オフィサーは語る。同氏は、企業は安全確保のために銀行に融資枠を申し込み、こうした借り入れの一部が結局、預金されると述べる。記事は最後に香港ドルの問題に触れ、米政府が香港の貿易上の特権を剥奪する意思を示したことで、香港ドルの米ドルとのペッグが廃棄されるのではないかとの懸念が浮上していると指摘するが、香港当局は、これまでのところ香港からの資本逃避は起きていないと主張していると報じる。

 以上、混乱が続く香港から資金が逃げ出し、そうした資金の受け皿のひとつとしてシンガポールの銀行が浮上している状況が、上記フィナンシャル・タイムズ記事からよく見て取れる。シンガポール当局が、こうした動きを歓迎していることは明らかだが、ライバルの混乱に乗じるという印象を避けるため資金流入の実態を公開していないのが残念である。記事が指摘するように中国を怒らせないよう神経を使っている面もあることも間違いないだろう。香港がアジアの金融ハブとしての地位を後退させるなか、シンガポールがセイフヘイヴンとして有力な後釜になろうとしている。特に、4月にシンガポールの銀行にある外貨建て預金が過去1年間に約4倍も増えたことは、それを物語っている。

インド

ウイルス共存態勢が未整備のまま経済を再開

 コロナウイルスによる新規感染者の増加が止まらないなか、政府は経済を再開し始めた。6月9日付フィナンシャル・タイムズは、「India is ill-equipped to live with the virus (ウイルスと共存の備えができていないインド)」と題する社説で、インドの公衆衛生システムはパンデミック以前から厳しい状況にあり、現在もウイルスとの共存態勢が整っていないにもかかわらず、政府は経済再開に踏み切ったと批判、概略次のように論じる。

 14億人の人口を抱えながら、インドのコロナウイルスによる死者の数は公式には7500人程度に止まっている。しかし、パンデミックによる死者の総数は既に世界最悪の状態にある。モディ首相は3月24日、未だ感染者数が500人余りの時期に世界で最も厳しい都市封鎖を命じ、ウイルスの勝利者になると宣言した。しかし経済が深刻な打撃を受け、5月下旬から経済の再開を開始している。この間、新規感染者の増加が止まらず病院の収容力も限界に達していた。モディ首相も今では、ウイルスは長く我々の生活の一部となろうと語っているが、インドはそうした見通しに対応できていない危険な状態にある。

 モディ首相の擁護者は、同首相は全国の都市封鎖を決断するなど対策を早期に実行したと評価するが、経済への影響は甚大だった。1億4000万人が職を失い、グールドマンサックスは4-6月の国内総生産は前四半期よりも年率で45%も縮小すると見積もる。都市封鎖はこれまでのところ感染者数の増大を比較的なだらかにしているが、横ばいになってはいない。都市封鎖は富裕国では十分耐えられることだが、数百万の人々がスラム街に群がり、トイレと水道を共同で使用している国では、実質的に持続不可能なのである。

 新規感染者が着実に減少するなかで都市封鎖を解いている欧州諸国とは異なり、インドでは感染者はなお増加している。本紙の調査によれば、6月初めまでの新規感染者数は一週間平均で9439人に達し、これを上回るのはブラジルだけである。米国の医療専門家は、インドがウイルス流行のピークを付けるのは7月末頃だと警告している。

 都市封鎖から解放された人々には、コロナウイルスの感染が以前よりも広がっている状況が待ち受けている。復旧した大衆交通手段を使って帰郷する移住労働者は、3月の大都市封鎖の前に帰郷できた場合よりも、故郷にウイルスを巻き散らすリスクを犯すことになる。都市封鎖の影響とインド経済の現実を考えると、モディ氏には経済再開以外の選択肢はなかったといえよう。とはいえ、インドは軽度の制限というスウェーデン型の対応に急速に近づいている。しかし人口の規模はスウェーデンの140倍に相当し、都市は人で溢れ、公衆衛生は慢性的に不十分で、パンデミック以前から緊張にさらされている。市民を守るために政府のなすべきことが山のようにあるのだ。

 上記のように論じた社説は、政府の対策について、政府は先月、国内総生産の10%に相当する2660億ドル規模の景気刺激策を打ち出したが、貧困層への直接的な支援は限定されていると批判、西側諸国と同様、銀行による債務過大の企業への救済融資を増やすための保証に焦点が当てられていると指摘する。エコノミストの見積もりでは、刺激策の規模は実質的にGDPの1.5%程度だと述べ、さらに医療専門家はマスク着用、手洗い励行、検査拡大、データ共有などのウイルス感染拡大防止策を呼びかけていると伝える。

 なお5月29日付ニューヨーク・タイムズ記事も、感染者が急速に増加するという専門家らが最悪と危惧するタイミングで、インドが経済のために制限を緩和していると報じている。記事によれば、政府が地方の危険度の高い州で感染者増加を抑えられなければ、感染症の専門家は、数週間以内で感染者数が100万人を超えると予想している。5月に入りインドの倍増率(現在の死者数が倍増するに要する日数)が約12日と、感染者の多いブラジル並みとなった。最大野党の国民会議派のラウル・ガンディ党首は、インドは感染者が指数関数的に増加している唯一の国だと指摘している。

 以上のようにモディ首相は、早い段階で都市封鎖を命じるなど早期にコロナ対策に乗り出したが、経済は、1億4000万人が失業し、第1四半期の国内総生産が大幅に落ち込むなど甚大な被害を受けたため、感染者が増加するなか、経済の再開に踏み切った。メディアは、これを危険な状態だと懸念し、政府に更なる対応を求めている。政府も景気刺激策を発表しているが、GDPの1.5%程度の規模と極めて小さく、追加的対策が必要な状況にあると言えよう。モディ政権は、さらなる経済のてこ入れをするか、都市封鎖の再導入などの経済活動の制限を再度強化するか、重大な岐路に立たされている。


コロナ禍の日本の政治、経済、社会に与える影響について

主要紙の社説・論説から

前号で新型コロナウイルスの感染拡大が世界に及ぼす影響についてみてきた。今回は日本に的を絞り、コロナ禍の影響についてメディアの報道や論調を観察した。以下にそのまとめと結びをお伝えする。

まとめ:メディアはまず、日本経済が3月に終わった今年第1四半期で2期連続のマイナス成長を記録してテクニカルな不況に陥り、昨年の消費増税と今回のコロナ・ショックが重荷となって苦境は続くと予想する。しかも弱い需要がさらなる需要の低迷を招く悪循環が待ち受けており、政府による家計と企業の支援強化が必要だと主張する。

コロナウイルスによる甚大な被害を予想して、メガバンク3行は不良債権処理費用について、これまでの後ろ向きの評価方法から将来を見据えた方法に変更、現会計年度で1.1兆ドルを見積もったと伝える。ただし80行に達する地銀は引き続き従来の方法に従っていると指摘、またパンデミックは、サプライチェーンのエンドユーザーとなるトヨタやソニー、パナソニックなどの日本の中核的産業にも打撃を与えたと伝える。

他方、ウイルスの感染拡大防止に必要な社会的距離拡大戦略について、依然として物理的出社を重視する日本企業が多いと述べ、背景に時代錯誤的な職場文化があるとして印鑑の使用などを挙げ、日本は頑迷なアナログ国家でもあると批判する。その一方、パンデミックは変革を促す外圧になり得るとして、企業文化見直しの追い風になるとの見方を伝えるが、変革は大企業と中小企業に差異があり、しかも行動規制が緩和されると管理者は再び部下に出勤を求めるかもしれないと懸念を表明する。

安倍首相は緊急事態宣言の解除にあたり、日本らしい方法で対策を進め、この「日本モデル」がパンデミックから抜け出す道を示したと宣言したが、検査率は低いままで成果を上げた原因は不明確であり、他国が教訓を得られるか否かは不確かだと述べ、死者数の過小計算や次の感染の波によってこの自賛的宣言が損なわれる可能性があると警告する。また政府のコロナ対策については、半数以上の国民が評価していないと指摘する。理由として検査の制約などを挙げ、強い指導者というイメージを演出してきた安倍首相は、コロナウイルス問題では期待に応えていないと述べ、政府、与党内で求心力を失ってきていると伝え、日本は未だ危険を脱していないと警告する。

その一方でメディアは、日本企業が積み上げた現金が軍資金となり、日本はIMFがいう都市封鎖大不況での勝利者になり得ると論じる。現金は、日本の国内総生産の130%余に相当する6.5兆ドルと米国の数字の3倍に達する。現金は米国ではGAFAなどのテク系寡占企業が全体の3分の1を保有するが、日本では広く分散保有されており、しかもこの間、総分配性向が12年の約35%から60%余りへ上昇したと指摘、日本企業は今後も配当性向を低下させず、また現金を内外での合併買収に活用すると見込まれ、分野として国内で食品、医薬品、エネルギー、金融、機械、海外で自動車を挙げ、その関連で日本株が避難先として注目されるだろうと論じ、「失われた数十年間」からの回復力と粘り強さを発揮する日本企業に注目すべきだと主張する。

結び:以上みてきたように、コロナ禍に揺れる日本についてのメディアの論調は、評価と批判が入り交じり、単純ではない。不況入りした日本経済は今後もマイナス成長を続け、金融機関には不良債権が重くのしかかると厳しい見方を示す。その一方で、現金を積み上げた日本企業の前途は明るいと評価、日本株は避難先として買いだと推奨する。ただし日本企業には時代錯誤的な職場文化が残り、ウイルス感染拡大防止に不可欠な社会的距離戦略の障害になっていると述べ、日本は頑迷なアナログ国家でもあると批判、パンデミックはこうした企業文化の変革を促す外圧になり得ると論じる。

それでは、政府のこれまでの対応をどのように評価し、今後に何を期待すべきだろうか。日本は今回の新型ウイルス襲撃に不意を打たれたというべきだろう。日本は、過去のサーズやマーズ、そしてインフルエンザ流行などの経験を、たとえば韓国や台湾、香港のように十分に生かしていなかったのだ。安倍首相は日本らしい方法で対策を進め、この「日本モデル」がパンデミックから抜け出す道を示したと主張するが、この日本モデルは場当たり的な対応の印象がぬぐえない。窮余の一策だったというべきだろう。メデイアが日本モデルは不明確だと反論し、パンデミックから抜け出す道を示したという安倍首相の主張に納得しないのは、そのためである。

では、日本は今後、何をなすべきか。メデイアが指摘するように、日本は未だ危険を脱していない。しかも十分な備えもできていない。従って問題は、見方を変えると、第2波、第3波が襲ってきた際に日本は、この「日本モデル」で対応できるのか、という問い掛けになる。政府は、コロナ対策に関連して、半数以上の国民が政府を評価していない、安倍首相は日毎に求心力を失っている、との指摘を噛みしめるべきだろう。特に、政府を評価しない理由として挙げられた検査の制約、医療従事者向け保護用品の不足、緊急事態宣言の躊躇などについての批判に耳を傾けるべきだ。

日本企業については、この際、デジタル契約や遠隔勤務の不徹底、直接対話による商談や意思決定の慣行などを積極的に見直すべきだろう。一つの救いは、軍資金を活用して、合併買収案件あるいは研究開発を推進していけることだろう。分野としては、国内では食品、医薬品、エネルギー、金融、海外では自動車関連の分野などでの活用が期待される。

2020年
5月15日 米商務省、中国通信大手、ファーウェイへの制裁を強化。外国で製造した製品も米製造装置を使用の場合は規制対象。120日間の猶予期間を経て実施。
     17日 インド政府、行動制限を含む都市封鎖(ロックダウン)を月末まで2週間延期すると発表。
     18日 世界保健機関(WHO)の年次総会、開幕。中国の習近平国家主席が新型コロナウイルス対策向けに2年間で20億ドルの拠出を表明。
     19日 シンガポール政府、6月2日から段階的に経済を再開すると発表。インドネアの首都ジャカルタ、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための行動制限措置を6月4日まで再延長。
     20日 台湾の蔡英文(ツ・インウェン)総統、1月の総統選で再選され2期目を開始。
      タイ中銀、過去最低の0.5%に利下げ。
     22日 中国で全国人民代表大会、開幕。香港の社会統制を強める「香港国家安全法」の制定を発表。
     24日 北朝鮮、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議を開催。金正恩委員長の指導のもとで核戦争抑止力をさらに強化すると宣言。
     25日 安倍首相、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を全国で解除すると表明。
      中国人民銀行、人民元取引の基準値を1ドル=7.1209元に設定。12年ぶりの安値。
     26日 タイ政府、5月末を期限としていた非常事態宣言を6月末まで延長。言論弾圧への警戒感が高まる。
     28日 中国の人民代表大会(全人代)閉幕。反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択。
   29日 トランプ米大統領、米国が香港に認めている優遇措置の廃止に向けた手続きに入ると発表。
                 トランプ米大統領、米国市場に上場する中国企業を対象に財務透明性などを調査する方針を表明。
   30日 インド政府、6月1日以降の指針で大半の経済活動の段階的容認方針を表明。
6月  1日 北朝鮮、国債発行を計画。富裕層からの資金徴収を狙う。
        2日 シンガポール、約2カ月続いた外出規制を緩和、経済活動を再開。
     4日 オーストラリアとインド、オンラインで首脳会談を開催。インド太平
                 洋における防衛協力拡大と両国軍の相互運用能力を高める協定で合意。
  7日  中国政府、新型コロナウイルス白書を発表。中国のコロナ対応への批判に対して中国は被害国でウイルス抑制の貢献国と主張。
  8日 韓国の文大統領、慰安婦運動への擁護を表明。同支援団体の資金不正疑惑巡り。 
  9日 北朝鮮、南北の通信連絡を完全に遮断。韓国内の脱北者による批判ビラに報復。
   12日 北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)外相、米朝首脳会談から2年を迎えて談話を発表。米国の長期的な軍事的脅威を管理するため、より確実な力を育てると宣言。
   13日 金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長、開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所の破壊を予告、韓国と決別する時がきたとの談話を発表。
   14日 韓国統一省、北朝鮮の金与正氏による報復予告に対し、敵対行為の自制を呼び掛ける声明を発表。
   15日 中国の北京市で集団感染79人が発生、「非常時」宣言。

主要資料は以下の通りで、原則、電子版を使用しています。(カッコ内は邦文名)THE WALL STREET JOURNAL(ウォール・ストリート・ジャーナル)、THE FINANCIAL TIMES(フィナンシャル・タイムズ)、THE NEWYORK TIMES(ニューヨーク・タイムズ)、THE LOSANGELES TIMES (ロサンゼルス・タイムズ)、THE WASHIGTON POST(ワシントン・ポスト)、THE GUARDIAN(ガーデイアン)、BLOOMBERG・BUSINESSWEEK(ブルームバーグ・ビジネスウイーク)、TIME (タイム)、THE ECONOMIST (エコノミスト)、 REUTER(ロイター通信)など。なお、韓国聯合ニュースや中国人民日報の日本語版なども参考資料として参照し、各国統計数値など一部資料は本邦紙も利用。