東アジア・ニュースレター Vol.118

海外メディアからみた東アジアと日本 - 2020年10月

前田 高昭
ジャーナリスト
バベル翻訳大学院教授

中国本土の債券市場は150兆ドルに達する世界第2位の市場だが、流動性が低く、底の浅い市場で全面的な改革が必要だとメディアが主張する。問題点として、分散する国債償還期限、レポ市場やデリバティブへのアクセス制約、不可解なほど低いデフォルト率、偏った信用格付け、不透明な税制資金償還問題などを挙げる。それでも米欧の年金基金その他の機関投資家は中国市場の魅力には勝てないだろうと指摘する。

米政府台湾に対して再度70億ドルに達する武器売却を計画している。トランプ米政権が中国に対する政治、軍事的な圧力を強めるなか、台湾との関係を強化する取り組みの一環だと指摘されている。今回の取引には中国軍の侵攻に備えて、地上戦に必要とみられるドローンや巡航ミサイルが含まれている。トランプ政権の中国に対する締め付けと台湾防衛支援への本気度が示されて注目される。

韓国社会で脱北者が定着していくことの難しさをメディアが伝える。同一民族とはいえ、生活環境や文化的背景が極めて異なることから無理もないと思われるが、それ以上の要因として韓国社会の脱北者に対する偏見差別意識が指摘されている。将来、東西ドイツのように南北が統一された場合、こうした要因が統一後の融和と団結を損なう可能性が懸念される。

北朝鮮関係では、メディアが米朝両首脳は、親密な個人的関係を演出することに共通の利益を見出し、そうした見せかけの関係を続けようとしていると報じる。北朝鮮の金委員長は2018年の最初の首脳会談後の緊張緩和の機会を捉え、最先端の兵器開発を進め、最強兵器の隠匿を試みている。トランプ米大統領外交政策の一部成功を主張し、北朝鮮が不都合な事態を生み出す悪循環からも逃れられていると指摘する。

東南アジア関係では、タイ政治と王室の改革を求めて国民が立ち上がった。根底に民政移行を掲げながら先延ばしする現軍事政権への反感があり、それが乱脈な生活を送る国王への批判王室改革を求める声に発展している。具体的には、国王による政治干渉の抑制、王室警備司令部の解散、不敬罪の廃止、現政府の解任などを要求しているが簡単にはいかない問題であり、現政権の対応が注目される。

インドのモディ首相は、民衆に手を差し伸べる一方で国民の声に耳を傾けず独善的に改革を推し進めており、行動に二面性があるとメディアが指摘する。そうした行動の実績として、農業の国家統制からの解放、息苦しい労働規則の解体、公的教育の改正、官僚制度の改革などを挙げるが、その裏で議会での多数勢力を利用して、苦労して勝ち取った自由を押しつぶし、かつそれは民主国家として護憲という最も基本的な責任を無視する行為であり、さらに自身の政治的資金を隠蔽するという偽善的行為も行っていると批判する。

主要紙社説・論説欄では、菅新政権の発足に伴う主要メディアの論調を観察した。安倍前政権に続き改革の推進に期待を示している。

北東アジアの経済

中国

改革が必要な巨大債券市場

中国の債券は高利回りだが、一連の規制や法的、取引面の障害があると9月28日付フィナンシャル・タイムズは警告し、中国の巨大債券市場には一大改革が必要だと概略次のように論じる。

中国本土の急成長する150兆ドルの債券市場は、米欧の年金基金その他の機関投資家にとって魅力的な市場だ。しかし国際通貨基金(IMF)が警告するとおり、この世界第2位の債券市場は流動性が低く、底の浅い市場であり、全面的な改革を必要としている。規制上の制限によって、オンショア債券の最も重要な保持者である国内商業銀行が満期まで債券を保有する傾向があり、このため流通市場での流動性が低下し、取引コストが高くなる。また懐の深い流動性に富む基準となるイールドカーブが存在しないために十分に効率的な価格形成が成立しない。

米国債の場合、「主要償還期限(キーテナー)」として知られる10年債や30年債など特定の満期に焦点を当てて発行されている。しかし、中国では幅広い範囲のキーテナーで国債が発行されており、イールドカーブ取引や先物に対する債券現物取引などの戦略を複雑にしている。これらの取引は、米国の債券市場における流動性と価格形成を強化するのに役立っているのである。また中国のオンショア債券市場は不利なショックに対して一段と脆弱である。これは市場の取引高が中央銀行の金融政策が緩和か引き締めかに左右される傾向があるためである。

リスク管理のプロセスもレポ市場やデリバティブへのアクセスが限られているために複雑である。債券の借入や先物取引、金利スワップのようなファシリティーを外国投資家は利用できるものの、リスク管理のためと証明できる場合に限られている。先物債券取引についても同様である。IMFは市場レビューの中で外国投資家は為替リスクや金利、信用リスクをヘッジする十分なデリバティブの手段を持っていないと指摘している。

中国の起債者による2014以前の債務不履行は分かっていない。しかし、国が国有企業および地方政府の金融子会社については救済に前向きであるため、金融機関はそれを国による暗黙の保証と認識する慣行が深く染みこんでおり、過大なリスクテイクと資本の不適切な配分が起きている。改革を求める声に、特に不良債権に対して資本増強に迫られる債券保有銀行が抵抗している。

中国の債券市場における債務不履行(デフォルト)率は、他の国際市場よりもはるかに低い。今後は上昇すると予想されているが、どこまで上昇するのかは不明である。アセット・マネジメント会社のイーストスプリング・インベストメントは、コロナウイルスと米中の貿易摩擦により経済成長が鈍化し、それが金融機関に及ぼす影響を反映して、デフォルト率は今年の起債額の約0.7%から21年には1.2から1.5%に上昇すると考えている。しかし、不可解なほど低いデフォルト率は政府の継続的な支援によるためであり、信用リスクが適切に価格に織り込まれているか、中国政府が暗黙の保証から距離を置く決意をどこまで固めているかについて、多くの疑問を提起する結果になっている。

債券格付けもまた問題である。地場信用格付け機関は、国債と同様に社債の大半をAAかAAAと評価している。こうした甘めの偏った格付けは、潜在的なデフォルトリスクについて現実的な評価をする中国外の市場で発行された債券と比較して、リスクを過小評価することになる。また中国の起債者は、格付費用を自ら支払うという明らかな利益相反行為をしている。「中国の格付け産業は信頼を取り戻す必要がある」とIMFは指摘する。さらに複雑な問題として、格付機関の規制当局が起債者の種類に応じて異なっているという事実がある。今後、国際的格付け機関との競争激化によって改善されていくと予想されるが、それはまだ初期段階にある。スタンダード・アンド・プアーズは2018年に中国に参入し、フィッチは20年5月に一部の債券について格付けライセンスを取得した。ムーディーズはまだ営業を開始していない。

さらに税金問題が多くの障害をもたらしている。政府は18年後半、外国人投資家がオンショア債券から得た利息に対する源泉徴収税と付加価値税(VAT)の3年間免除を発表したが、免除対象となる債券が不明確なのである。IMFは、税制は解釈が難しいため外国投資家の課税額の計算や徴収の不確実性につながると指摘している。また21年に期限が切れる免税措置が延長されるかどうかも不明である。香港ピムコのポートフォリオマネジャーであるスティーブン・チャンは「免税が失効するかどうかはまだ分からないが、中国は外国投資家に対して友好的な態度を保つと期待している。中国政府は、他の債券市場との競争力維持の必要性を理解しているからだ」と語る。

外国投資家のもう一つの長年の懸念は、資本の引き揚げが将来的に制限されるかどうかである。IMFは、外国投資家が支障なく債券市場を離脱できると確信できるように資本取引の自由化を進める必要があると提言する。
上記のように報じた記事は最後に、これらの困難な諸問題は、いずれも投資銀行や資産運用会社が中国の債券市場を発展させるのを妨げなかったと指摘し、「国際的投資家は、急速に発展する中国の債券市場における投資機会の増大を無視できない」とのイーストスプリングの債券部門責任者のコメントを伝える。

以上のように記事は、中国本土の150兆ドルに達する世界第2位の債券市場は、米欧の年金基金その他の機関投資家にとって魅力的な市場だが、流動性が低く、底の浅い市場であり、全面的な改革を必要としていると主張する。ただし問題点として、分散する国債発行期限、レポ市場やデリバティブへのアクセスの制約、不可解なほど低いデフォルト率、格付け機関による偏った信用格付け、不透明な税制と資金の償還問題などを挙げる。それでも海外の機関投資家は中国市場の魅力には勝てないだろうと指摘している。海外投資家の動向とともに当局の対応に注目したい。

台湾

米政府、新たにミサイルなどの武器を売却へ

米政府が台湾に総額70億ドル相当の武器を売却する見通しになったと9月17日付ウォール・ストリート・ジャーナルが報じる。記事によれば、武器売却は米政府が     中国に対する政治、軍事的な圧力を強めるなか、台湾との関係を強化する取り組みの一環であり、今回の売却は台湾との武器取引としては過去最大規模になる。事情に詳しい関係筋によると、取引には巡航ミサイルや機雷、さらに4億ドル相当の軍事用無人機「MQ-9Bリーバー」や関連センサー、地上管制所などが含まれる。

トランプ政権下では台湾に対し既に約150億ドル相当の武器が売却されたが、さらに70億ドルが上乗せされることになり、関係者は、トランプ政権が歴代政権よりも台湾との距離をさらに縮めたと指摘している。因みにオバマ前政権時代の8年間の台湾向け武器売却額は約140億ドルとされる。

また戦車などのこれまでの武器売却は、台湾の要望を反映したもので、中国と地上戦を行う可能性が低いことから、大部分は象徴的なものとみられていた。その意味で今回のドローンや巡航ミサイルの売却は、台湾を反政府勢力が占拠する領土とみなし、軍事力を行使して支配下に置くことを否定していない中国政府に対し、米国が圧力をかけようとしているのだと専門家はみている。

9月17日付フィナンシャル・タイムズも米政権内の事情に詳しい人物の話として、トランプ政権が台湾の防衛力を支援するため70億ドル相当の武器売却を計画していると報じる。記事によれば、台湾への武器売却は昨年に合意した80億ドルに次ぐ2番目の大型案件になり、ワシントンに拠点を置くシンクタンクの戦略国際問題研究所の中国専門家ボニー・グレーザーは、この売却には、台湾が中国軍の攻撃をかわすのに役立つ機雷や沿岸防衛用巡航ミサイル、ドローンが含まれると語り、「こうした兵力は、台湾の「全体的な防衛概念」、すなわち、戦力による防護、沿岸での敵艦艇の撃破、海岸での敵兵上陸阻止を支援するだろうと語る。

他方、最近中国は台湾周辺において2回連続で軍事演習を挙行しており、台湾政府は中国が再び台湾の防空識別圏内で大規模な航空・海軍演習を行うのではないかとの懸念を高めているなか、この協定は数ヶ月間議論されてきたと記事は伝える。また米政府は長い間、台湾政府に対して低コストの移動型武器を手に入れるよう促してきた。これにより中国が侵攻を開始し、台湾の空海軍を破壊したり、その電子指揮統制システムを無力化したりした場合にゲリラ戦のような闘いで対抗できるからである。

こう述べた記事は最後に、今回の取り決めのニュースは、キース・クラック米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が、李登輝元総統(7月に97歳で他界)の追悼式に参列するために訪台する機会に明らかにされたと述べ、同次官の台湾訪問は米政府が1979年に台湾との外交関係を断絶して以来、国務省として最も高官の訪台となると報じる。

以上のようにトランプ米政権は台湾に対して再度、巨額の武器売却を計画している。しかも今回は、中国軍の侵攻に備えて地上戦に必要とみられるドローンやミサイルが含まれている。トランプ政権の中国に対する締め付けと台湾防衛支援への本気度が示されて注目される。

韓国

脱北者の生活ぶりについて

10月10日付フィナンシャル・タイムズは、過去20年間で南北間の脱走者は南から北への例は稀で、大半は北から南への逃亡例だったと述べる。ただし、その多くは韓国での生活に慣れるのに苦労し、加えて彼らを北へ戻すために誘い込む北朝鮮の秘密警察、国家保衛部による強制的な措置をかわさなければならないと報じ、そうした脱北者の韓国社会での生活ぶりについて、概略次のとおり伝える。

韓国国会の情報委員会のメンバー議員によると、韓国に脱出した北朝鮮人は約3万3600人おり、そのうち推定900人が行方不明で、中国にも何万人かが移り住んでいるが2011年に金正恩委員長が政権を握って以来、韓国から「再脱走」した脱北者は約30人いる。そのうちの典型的な成功物語からみていく。

ミレニアル世代のイ・ミヨン(仮名)は10年前に韓国に脱出してきた。彼女は発音や方言を韓国人のそれに適応させると共に、アイデンティティを隠しながら勉強し働き続け、いくつかの小規模企業を起業する道を円滑に切り拓いたのである。

しかしイ・ミヨンの叔母は、同じような幸運に恵まれなかった。中国を経由して韓国に逃れたもののソウルでの生活に適応するのに苦労し、北に残した娘がその後出産したこともあり、娘との以前の生活に戻ることを望み北に戻る。しかし彼女は、保衛部の厳格な監視下に置かれ、脱北者が直面する苦難を広く警告するための政府の宣伝要員として働かされているという。

ソウルに拠点を置く非政府組織(NGO)、北朝鮮人権データベースセンターの19年の調査によると、韓国の脱北者の5人に1人が北朝鮮への帰還を考えている。北朝鮮の脱北者とその海外生活への適応を支援する在米NGO「北朝鮮の自由」のパク氏は、実際に戻ってくる人々は「非常に少数派」だと強調し、これに対して成功話の方が驚くほど多いとする。「韓国にきて、韓国の大学に行き、ビジネスを始め、多様な種類の職業につき、家にお金を送り、他の人を助けている若い北朝鮮人が非常に多い」と語る。

もう一人の脱北者で今は活動家に転身したパク・サンハクは、一部の脱北者は法的なトラブルに見舞われた後、北朝鮮に戻ったと語る。一例として同氏は、脱北者が7月に有刺鉄線と江華島の排水管の下を這った後、1km以上も泳いで北朝鮮に戻った事件を挙げた。「北朝鮮の自由」のパク氏は、脱北者を定着させるためのプログラムを改善する責任は韓国政府と市民グループにあると指摘し、韓国国民も脱北者の北朝鮮アイデンティティを包摂するためにもっと多くのことを行うべきだと考えている。「一部の北朝鮮人は、そのことを『カミングアウト』と表現している。つまり、ある意味で同性愛者であることを名乗り出るのと似ているからだ。「社会がそれを歓迎しないと思えば、素知らぬ顔をしてアイデンティティを隠し通すだけだ」と同氏は語る。

以上のように記事は、脱北者が韓国社会に定着していくことの難しさを雄弁に伝える。同一民族とはいえ、生活環境や文化的背景が極めて異なることから無理もないと言えるだろうが、記事はそれ以上の要因を指摘している。韓国社会の脱北者に対する偏見と差別意識である。そのことは、「カミングアウト」という比喩に端的に表現されている。かりに将来、東西ドイツのように南北が統一された場合、こうした要因が統一後の融和と団結を損なう可能性が懸念される。

北朝鮮

金委員長、融和ムードを利して核ミサイル開発を推進

9月30日付ワシントンポストは、金委員長は2018年12月、トランプ米大統領あての秘密親書で同大統領を閣下と呼んだが、こうした親密な関係を強調した書信を送った背後で、ある出来事が進行していたと次のように報じる。

北朝鮮にある6カ所のミサイル基地で、兵器を地下で移動可能とする地下道の建設が進んでいた。また米韓の現在および元高官と国連筋からの情報によれば、平壌の東南部にあり、15個の核爆弾を製造できるウラニウムを処理する工業団地に新しい建物が建設されていた。この新しい建設作業は、アナリストたちが2018年の最初の米朝首脳会談以後によく観察してきたパターンの延長線上にある。金委員長は挑発的な実験は抑制する一方で、最先端の兵器開発の手は緩めず、首脳会談後の緊張緩和の機会を捉えて北朝鮮最強の兵器を隠匿し、攻撃から守ろうとしているのである。

さらに記事は、北朝鮮による核実験の停止は、米朝双方の指導者にとって恩恵があったと述べる。トランプ米大統領にとっては、外交政策の一部成功を主張できること、また北朝鮮がトランプ氏にとって都合の悪い新たなサイクルを生み出すのを止めたことにもなるとの関係筋の意見を紹介する。他方、金委員長に対しては、経済制裁を迂回する新ルートの開拓や核ミサイルの開発継続のための時間を与えたと指摘する。その結果、北朝鮮はこの2年間で核兵器を増強して軍事力を強化、また米当局者によれば、北朝鮮は新たに補強されたバンカーを張り巡らして米国の空爆に備えられたと指摘。さらに金委員長は米国大統領との個人的な友情を得て、他の北朝鮮の指導者を排除する優位性を獲得したと述べる。

北朝鮮は過去の核合意を次々と踏みにじっており、その賭けを常にヘッジしてきた。米韓そして日本の情報機関が収集した複数の情報によれば、金委員長は強力な弾頭とそれを搭載するための様々な高度なミサイルを含む確かな核抑止力の生産に向けた歩みを一歩たりとも逃さなかったことが確認されている。また当局者によれば、北朝鮮は兵器計画の重要な側面を隠蔽している。シンガポール首脳会談以降、北朝鮮が製造した新しい核爆弾の正確な数は公に知られていないが、アナリストは同国の核兵器産業は現在、毎年最大7発の新爆弾を製造するに十分な核分裂性物質を生成していると計算している。つまり、金委員長の核備蓄は、両首脳が初めて会談して以来、約15発の核弾頭を増やした可能性がある。

また国連の専門家は、北朝鮮のウラン処理工場に新しいまたは拡大された施設が出現したと指摘している。これにはウラン鉱体を精製する平山の大規模な工業団地が含まれている。この措置により北朝鮮は核兵器製造を加速できる可能性がある。さらに、国連報告書は、北朝鮮が核実験を再開するための準備を進めているとみられる証拠を示している。北朝鮮北東部、新浦の海軍基地と潜水艦発射弾道ミサイルの以前の実験場において、ミサイル発射実験のための事前作業が進行中のようなのである。

しかも、兵器部品を密輸するための巧妙な北朝鮮のネットワークは健在である。先月の韓国研究者による別の分析によると、金政権はICBM実験凍結が発効した2018年に少なくとも3000万ドル相当の禁止ミサイル部品の輸入に成功した。米国と国連による厳しい経済制裁によって、北朝鮮経済は大きな打撃を受けたが、首脳会談の副作用として、制裁の圧力は徐々に消滅していった。地域の緊張が緩和するに伴い、中国とロシアの両国が制裁の実行を抑制し、このため北朝鮮は石炭輸出を増やす一方で、ガスと石油という重要物資を入手できたのである。

他方、記事は一部の専門家は金委員長が外交に対して忍耐力を失い、攻撃的な行動に戻るかもしれない兆候がみられると指摘するが、多くのアナリストは、金委員長は明らかにトランプ再選を願っており、その可能性を損なうような挑発的行動は11月3日以降までは起こりそうもないと考えていると報じ、金委員長もトランプ大統領も彼らの個人的な関係を危険にさらす可能性は低いとのアナリストの言を伝える。その理由について、この奇妙な友情は、核のない北朝鮮の見通しが遠ざかるなか、緊張の一時的な軽減をもたらし、政治家としての国際的なスポットライトに共に立つという貴重な機会を提供し続けるからだと指摘していると報じる。

以上のように米朝両首脳は、親密な個人的関係を演出することに共通の利益を見出し、そうした見せかけの関係を続けようと目論んでいる。金委員長は首脳会談後の緊張緩和の機会を捉え、最先端の兵器開発を着実に進め、かつ最強兵器の隠匿防衛を試みている。トランプ米大統領は、外交政策の一部成功を主張できると共に、何よりも北朝鮮が不都合な事態を生み出す悪循環から逃れられるからである。しかし北朝鮮はこの間、経済制裁を形骸化させて核ミサイルの開発を進め、軍事力を着実に強化し、その脅威は高まり続けている。その意味で、米朝の見せかけ外交は東アジアと世界に危険な高い代償を支払わせていると言えよう。

東南アジアほか

タイ

政府と王室に改革を求める国民

9月26日付エコノミスト誌は、「民の声が王室に届いているだろうか」と表題で問い掛けて、国民が大胆にも王室改革を求めて宮殿に行進しているが、王はいつものように不在だと報じる。記事は、こうしたデモの状況と背景について次のように報じる。

バンコクをパレードする抗議者の何人かは、小さなクロップトップとバイシクル・ショートを着て、上半身を手の込んだ入れ墨で覆っている。他の人々は、そうした半身が裸体に近いサイクリストの前にからかうように寝転んでみせる。このようなパフォーマンスは、抗議の相手で、2016年以来国王の座にあるマハ・ワチラロンコン国王に向けられている。国王はほとんどの時間をドイツで過ごし、パパラッチが時折国王とそのハーレムの女性のいわば寝起きの様子のスナップを取ることになんとか成功している。デモ参加者は、そうした光景をまねてみせているのだ。

9月19日と20日のデモは、7月に抗議行動が始まって以来、数万人が参加する最大規模のデモとなった。しかしデモはまた、クーデター指導者プラユット・チャンオチャ現政権に対する反政府デモであり、それが王制に対する前例のない攻撃に発展したことを明らかにした。ワチラロンコン国王は、70年間君臨した亡き父王プミポン・アドゥリャデジ(またはプミポン・アドゥンヤデート)のような国民的な人気がない。その個人的な生活は、入れ墨と同じくらい華美なものなのだ。

国王は現在の4番目の妻に加えて、正式に「王室のコンソート(配偶者)」(ほぼ1世紀タイで使用されていないタイトル)として指名されている王妃がいる。さらに厄介なことに、彼は政治に介入し、400億ドル相当に達するとみられる「王室財産」を支配し、バンコクに駐屯する何千人もの兵士を直接指揮している。

タイは理論的には立憲君主制であり、国王に対する批判は長い間タブーであった。ワチラロンコン国王は、国王、女王、後継者、または摂政を侮辱した罪で最長15年の実刑判決を受けるレセ・マジェステに関する激しい法律の下で人々を起訴しないように政府に指示していた。しかし王室を否定する人々がオンラインでそうする場合は、代わりに扇動罪またはコンピュータ犯罪で起訴されることが多い。

7月に、「私は王制に対するすべての信頼を失った」というTシャツを着た男性が精神科病院に運ばれた。このような事件は、抗議デモをさらに大胆にした。「この国は王ではなく国民のもの」と、幾つかのデモ主催者によって歩道に設置された看板に書かれている。「くたばれ封建主義、国民万歳!」と、王宮に向かって行進する沢山の人々が叫んでいる。王宮に到着すると、彼らは主のいない建物を守る無愛想な警官に王制改革のための10か条の要求を手渡した。その項目には、国王による政治干渉の抑制、王室警備司令部の解散、不敬罪の廃止、現政府の解任などが含まれていた。強固な王室派である軍は動いていないが、大きな試練はこれからである。デモ側は来月にゼネラル・ストライキを呼びかけているからである。

以上みてきたように、政治と王室の改革を求めてタイ国民が立ち上がった。根底に民政移行を掲げながら先延ばしする現軍事政権への反感があるが、それが乱脈な生活を送る国王への批判と王室改革を求める声に発展している。具体的には、国王による政治干渉の抑制、王室警備司令部の解散、不敬罪の廃止、現政府の解任などであるが簡単にはいかない問題ばかりである。現政権の対応に注目したい。

インド

改革に突き進むモディ首相

エコノミスト誌は、「良きにつけ悪しきにつけ、仕事に励むインドの首相」と題する10月10日付記事で、ナレンドラ・モディ首相が余り他の意見に耳を傾けずに改革に突き進んでいると概略次のように報じる。インド知識人の中で最も国際派の一人といわれ、シンクタンクの政策研究センター所長を務めるプラタープ・バーヌ・メータ氏は、昨年国民の多くを激怒させた。インドで最もトラブルを抱える州で唯一イスラム教徒が多数派となっているジャンムー・カシミールを直接統治下に置くという政府の大胆な措置を称賛しないばかりか警告を発したのである。

同氏は、カシミールの「インド化」を喜ぶのではなく、忍び寄るインドの「カシミール化」を恐れるべきだと語り、モディ首相が国民に何を見せたかったのか、即ちヒンズー教徒が多数派を占める国家意志の強調とパキスタンが主張する領土に対する数十年にわたるあいまいさに終止符を打ったことに焦点を当てるべきではないと述べたのである。メータ氏が主張したかったのは、カシミール問題で目に見えないままでいることが意味するもの、即ち世界最大の民主主義国家が最も基本的な憲法上の責任を尊重しなかったこと、つまり、国民の同意を求めなかったことである。

モディ首相は最初の任期でも、このような二面性をしばしば示していた。政治を分裂させながら団結について話し、国家権力を強めながら市場開放を語り、個人的には強大な財閥に迎合しながら公には一般市民の擁護者を名乗っている。2期目を迎えた今、モディ首相はローマ神話のヤヌスのように頭の前後に顔をもつだけでなく、ヒンズー教の神の武器をさらに増やそうといているようだ。

政府は数週間で、有力法案を次々と強引に通過させた。何十年もの間、政治的な計算によってお蔵入りされてきた諸問題に取り組み、とりわけ農業を国家の統制から解放し、息苦しい労働規則を解体、公的教育を改正し、官僚制度を改革するなど大胆な措置を講じてきた。例えば労働に関する新規制は、44の法律を廃止して4つの国家法案に簡素化している。

こうした措置は、独立初期の数十年間に築かれ、その後の自由化の動きの一撃を免れた家父長的社会主義国家の岩盤にハンマーを振るったことになり、当然議論を呼ぶ。しかしモディ首相の数多くの騒がしい取り巻きは、変革の素晴らしい瞬間の到来を声高に叫び、政府内の批判者でさえ、特定の法律が十分に検討されたかどうかにかかわらず、モディ首相は必要な改革を進め、ついに約束を守る気概を示し、最初の任期でできなかったことを成し遂げたと評価する。しかしこうした礼賛だけでは、その背後で起きている事態を覆い隠せない。モディ首相は経済を開放する一方で、苦労して勝ち取った自由を押しつぶしているのだ。政府は多数派の力だけでなく、些細なルールや非常に疑わしい声による投票、そして野党の抗議退席などを利して、議会で1週間に24以上の法律を押し通したのである。

議会以外でもモディ政府の正当なプロセスの軽視は、インド政治の暗部の中でも前例のない程に顕著になっている。警察のような国家の表向きは公平な機関をすら、権力行使の端的な手段に変えているのである。そして首相の支持者たちは、輝かしい物語を創り出そうと熱意を燃やす余り、反対派の意見を黙らせるか、信頼を失わせるために奇妙なまでに労をいとわないのである。例えば、政府を批判する者はでっちあげの訴訟や税金の支払い要求に直面しているがこれだけに止まらない。こうした騒々しい悪ふざけの背後で明らかにされているのは、特にカシミールの住民には十分理解されていることで、モディ首相がますます明確にしているモディ時代の一側面である。即ち偽善である。

例えば、外国からの資金援助を考えてみよう。国家安全保障と説明責任の必要性を理由にモディ政府は好ましくないグループへの寄付を選択的に抑制した。このため過去6年間以上にわたり、約1万5000のNGOが閉鎖を余儀なくされた。最新例は人権擁護団体、アムネスティ・インターナショナルのインド事務所である。その一方で、モディ首相は自身の政治資金を隠蔽し、パンデミックの間に首相のための個人的な「緊急」基金を密かに設立している。

上記のように報じた記事は最後に、モディ首相は何をしていても常に群衆に手を振る姿勢を決して忘れないと指摘。昨年の「解放された」カシミールで、カメラがダル湖に浮かぶ船上で艦隊の提督のように立っている彼を捉え、最近では、ヒマラヤの道路トンネルの入り口で、ジープに乗り手を振る姿を捉えていたと述べる。しかし両方のシーンをよくみると、一緒に写っていたのは警備員だけで群衆はいなかったとコメントする。

以上のように記事は、モディ首相が民衆に手を差し伸べる一方で、国民の声に耳を傾けず独善的に改革を推し進めるという、その行動の二面性を批判する。そうした行動の実績として、農業の国家統制からの解放、息苦しい労働規則の解体、公的教育の改善、官僚制度の改革などを挙げるが、その裏で議会での多数勢力を利用して、苦労して勝ち取った自由を押しつぶし、民主国家として護憲という最も基本的な責任を踏みにじり、さらに自身の政治的資金は隠蔽するという偽善的行為に走っていると批判する。モディ首相は現在再選を果たしたうえ、議会でも与党のヒンズー至上主義を唱える人民正義党が連邦議会で多数派を占めていることから、民衆に訴えかけるポピュリズム的行動とともに、独善的采配を振るえる立場にある。そこから言動の二面性が生まれていると思われるが、記事が警告するように民主国家として自由、民主、法の支配という大原則は崩してはならない。モディ政権の覚醒が期待されるところである。


菅新政権の登場と改革の継続に期待を示すメディア

主要紙の社説・論説から

前号で安倍前首相の突然の退任表明に関するメディアの論調を紹介した。今回は、後継政権である菅内閣の発足に伴うメディアの報道と論調を観察した。以下は、その要約と結びである。

要約:メディアは、安倍前政権の政策継承を明確にする菅新政権の誕生を基本的に歓迎すると共に、新首相が唱える改革案に期待を表明する。まず地銀や中小企業の統合推進案について、こうした小さなアイデアが大きな影響をもたらすと歓迎、特に非効率なサービス産業の生産性向上に期待する。ただし消費増税は過去において、その度に景気後退を引き起こしたとして景気拡大による財政再建を主張する。

また菅氏がこれまでとは違ったタイプの政治家だと指摘し、安倍氏の影からの早期自立を促し、独自のメッセージとビジョンを示すべきだと主張し、改革の目標をデフレからの脱却と所得の伸びとすべきだと提言する。特にコロナウイルスが経済を後退させ、デフレ懸念が戻るなか、菅氏は「アベノミクス」の遵守を約束しているが、日銀には操作の余地がほとんど残っていないため構造改革の「第3の矢」が不可欠になると述べ、構造改革には、労働者の生産性向上や政府サービスのデジタル化、省庁間の調整改善措置が含まれるとし、菅氏は全情熱を注ぎ込む必要があると強調する。
その一方で、新政権は昔ながらの男子支配の内閣で、女性は前政権より1人減って僅か2人と批判する。79才の麻生氏を始めとして顔なじみの大物政治家が枢要のポストを占め、自民党人事についても老人4人組を自民党の重要な地位に据えたと述べ、安倍氏の女性を「輝かせる」宣言は女性労働者の比率向上などで一部成果を挙げたが、女性の多くは低賃金のパートタイムや契約労働で、役員登用目標も未達となったと述べ、世界経済フォーラムの男女格差指数で日本は100以内にも入っていないと指摘する。

日本の外交安保問題として、北朝鮮と高圧的姿勢を強める中国の新たな脅威を挙げ、それには力強い経済が不可欠だと主張。安倍氏は、世界における日本の地位復活と憲法改正による自衛隊の合法化を使命とし、経済復興をそうした目的の手段とみなしたと述べ、このため安倍前首相は自由貿易、法の支配、自由な国際秩序の推進などで建設的役割を果たし、外国首脳との会談を通して日本の声を届けたと指摘し、菅氏は安倍氏の「自由で開かれたインド太平洋」構想を安倍氏と同様レベルのエネルギーと行動で推進すべきだと進言する。韓国や中国との関係については、歴史問題で表に出なかった菅氏は新しい関係でスタートできると期待を表明する。同時に米中関係の悪化という緊張する地政学的環境に足を踏み入れたが、新首相の外交分野での力量はほとんど分かっていないと懸念を示す。それでも、過去8年間の安倍の右腕としての役割を果たした菅は、米国との関係を処理する術をよく心得ている、との関係筋のコメントや11月までは、(菅の)最も重要な仕事の一つは、トランプ大統領の絶え間ない侮辱と予測不可能性にうまく対処することだとの見方を紹介、さらに菅氏はペンス副大統領やポンペオ国務長官とは会談を通じて関係を築いていると指摘する。

対中関係については、安倍氏の下で経済関係は改善したが、歴史的緊張は残り、尖閣諸島周辺への中国の侵入が動揺を引き起こしていると述べ、そうしたなか、菅氏は対米関係を優先するだろうが中国との雪解け関係も維持しようとするだろうとの見方を伝える。安倍路線に従うと思われる菅は、安全保障、領土、歴史に関する違いにもかかわらず、中国と良好な経済関係を求め、かつ米国が安全保障を提供し続けるように必要なことは何でもするだろうと語る専門家のコメントや日米同盟の基礎は、個々の指導者間の関係よりも深く埋め込まれており、日米は重要な利益と価値観を共有し、それが相互に良好な関係維持の強いインセンティブとなっており、これが菅政権下で変わる可能性は低いとの見方を伝える。中国もまた、日本にコロナウイルスとの戦いに関する協力の深化と経済関係の強化を期待していると報じる。

その他に、菅氏は外交面で未完の仕事の解決に意欲を示し、北朝鮮との関係正常化とロシアとの平和条約締結を挙げ、記者会見で北朝鮮の金正恩委員長と前提条件なしで会談することを検討すると語り、日本人拉致問題について「突破口を開きたい」と述べたと報じる。

結び:以上のようにメディアは、国内政策と外交安保政策とに分けて、菅新首相に対して幾つか期待を表明する。国内政策では、まず菅氏が掲げる非効率な地銀や中小企業の統合推進という改革案がある。これは低生産性が指摘されている国内サービス業の改革という観点から喫緊の課題であると言えよう。財政再建には消費増税よりも景気拡大を考えるべきだとの主張も重要である。また菅氏は安倍前首相の影から脱却すべく、安倍氏に匹敵するメッセージとビジョンを早期に示すべきであり、改革の目標をデフレ脱却と所得の伸張とすべきだとの提言は、それなりに理解できるが、メディアはその一方で、無派閥で親族から議席を継承していない菅氏は、経済再生自体が目標になっていると指摘する。このことは、世界における日本の地位復活と憲法改正による自衛隊の合法化というビジョンを示した安倍氏と比べて、菅氏がいまのところ、それに匹敵するものを示していないことを意味している。菅首相には改めて国民を引っ張る明確なビジョンの提示が求められていると言えよう。

経済政策で菅氏は、アベノミクスの遵守を約束しているが、メディアが指摘するように、日銀には操作の余地がほとんど残っておらず、したがって構造改革の第3の矢が重要となり、菅氏は規制緩和と構造改革に取り組むと述べるが、これが労働者の生産性向上やデジタル庁構想による行政業務のデジタル化、省庁間の調整措置の改善などを促進するのであれば大いに歓迎すべきである。

他方、メディアは新政権が昔ながらの男子支配の内閣で、79才の麻生氏など顔なじみの大物政治家が枢要のポストを占め、女性は前政権より1人減って僅か2人と述べ、安倍氏の女性を「輝かせる」宣言は未達のまま、うやむやに終わりそうだと指摘している。これは真剣に受け止めるべき批判である。特に世界経済フォーラムの男女格差指数では、日本は総合の格差指数で121位、政治参画では144位という事実をそのまま見過ごすわけにはいかない。また少子高齢化対策という観点からも避けて通れない課題である。

外交安保分野でも菅氏は安倍路線を継承すると明言している。メディアは、北朝鮮と中国からの新たな脅威を念頭において、菅氏は安倍氏の「自由で開かれたインド太平洋」構想を安倍氏同様に鋭意推進すべきだと提言。韓国や中国との関係については、歴史問題で表に出なかった菅氏に新しい展開を期待する。また日中は安倍氏の下で経済関係が改善され、菅氏はこうした雪解け関係も維持しようとするだろうとの見方を伝え、その一方で菅氏は、米国が安全保障を提供し続けるように最善を尽くすだろうと指摘。日米同盟の基礎は、指導者間の個人的関係よりもはるかに深く埋め込まれており、これが菅政権下で変わる可能性は低いとの見方も報じる。

ただしメディアは、米中関係が緊張する地政学的状況に足を踏み入れたが、新首相の外交上の力量は未知だと懸念を示す。しかし菅氏は米国との関係を処理する術をよく心得ているとの関係筋の見方とともに、菅氏はペンス副大統領やポンペオ米国務長官とは会談を通じて関係を築いていると伝え、それなりの期待も表明している。菅氏は当然、そうした期待に応えていかなければならないだろう。菅氏は米中間にあって難しい舵取りに迫られ、これが当面、菅氏にとって最大の外交課題といえよう。その他に菅氏が意欲を示すとされる外交面で未完の問題、例えば北朝鮮との関係正常化やロシアとの平和条約締結も拉致や北方領土問題の解決に欠かせない課題として取り組んでいく必要があるのは言を俟たない。

(主要トピックス)

2020年
8月16日 タイの首都、バンコクで反政府集会、経済低迷で14年の軍事クーデター以来の最大規模へ拡大。
   17日 シンガポール政府、5度目の景気対策を発表。
      19日 タイのプラユット首相、官民組織「経済状況管理センター」を新設し統括。
      20日 タイ政府、デモ沈静化を狙い、新型コロナ非常事態宣言を9月末まで延長。
   24日    米国と中国が閣僚級貿易協議を電話開催、第1段階合意に「進展」ありと米政府、発表。
                 韓国政府、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を維持。破棄通告期限の24日までに通告なし。
      26日 中国軍、南シナ海に向けて中距離弾道ミサイル4発を発射。米偵察機を牽制。
      28日 安倍首相、体調不良で辞任を表明。
      29日 日米防衛相、米領グアムで会談、中国による東・南シナ海の現状変更を認めないことで一致。米軍の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約の尖閣諸島への適用を再確認。
       韓国与党「共に民主党」、党大会で知日派の李洛淵(イ・ナギョン)前首相を代表に選出。
   31日 チェコ代表団、台湾を訪問。
9月  2日 韓国の保守系最大野党「未来統合党」、党名を「国民の力」に変更。
  3日 韓国政府、コロナウイルス経済対策の財源確保のため新ファンド創設を発表。20兆ウォン(約1兆8000億円)の確保を目指す。
  4日 日本外務省の滝崎アジア大洋州局長、韓国の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と電話会談、北朝鮮問題で協力継続を確認。
  5日 北朝鮮の金正恩委員長、台風9号の被害を受けた北東部の咸鏡南道と咸鏡北道を視察。
  7日 インドのコロナウイルス累積感染者数、420万人に達しブラジルを抜き世界2位へ。米ジョンズ・ホプキンス大の集計。
  8日 日本の自民党、安倍首相の後継を決める総裁選を告示。石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3人が立候補。
  9日 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の外相会議、開幕。日米中韓など域外国も参加。ベトナムが議長国。
   11日  日本政府、シンガポールとの往来を短期のビジネス目的に限り再開することを決定。
     12日   海上自衛隊、護衛艦とイージス艦が米領グアム周辺の海空域で12~13日、米韓豪の海軍と共同で戦術訓練を行うと発表。
                  ASEAN地域フォーラム(ARF)、開催。
   14日  日本の自民党、菅官房長官を党総裁に選出。

主要資料は以下の通りで、原則、電子版を使用しています。(カッコ内は邦文名)THE WALL STREET JOURNAL (ウォール・ストリート・ジャーナル)、THE FINANCIAL TIMES (フィナンシャル・タイムズ)、THE NEWYORK TIMES (ニューヨーク・タイムズ)、THE LOS ANGELES TIMES (ロサンゼルス・タイムズ)、THE WASHINGTON POST (ワシントン・ポスト)、GUARDIAN (ガーデイアン)、BLOOMBERG・BUSINESSWEEK (ブルームバーグ・ビジネスウィーク)、TIME (タイム)、THE ECONOMIST (エコノミスト)、REUTER (ロイター通信)など。なお、韓国聯合ニュースや中国人民日報の日本語版なども参考資料として参照し、各国統計数値など一部資料は本邦紙も利用。

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