2021年、‘翻訳’で人生のリセットを共有しましょう

バベル翻訳専門職大学院(USA) 副学長 堀田都茂樹

2020年12月7日

コロナでコロコロ言っているうちに、早、師走。

来年1年の計を決するときが来ました。

来年は、他人ごとではない米大統領選の逆転があり、これまでにない変革の年を迎えると思います。

ということで、【シリーズ】翻訳の観点から日本語を再考する、をお休みして、以下の決意を共有したいと思います。

2021年以降のポストコロナの新たな時代に備えて、‘翻訳’で人生のリセット、を共有しましょう。

ダーウインの『種の起源』(「The Origin of The Species」)の最初のページに

It is not the strongest of the species that survives, not the most intelligent, but the one most responsive to change.

とあります。

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びる訳でもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。

バベルと長いお付き合いの方はバベルの塔の神話をご存知の方は多いことでしょう。

神は天を突くようなバベルの塔を立てようとする人間の傲慢を諫めるためにお互いの言語を通じなくして、塔の建設を阻止、崩壊させたと言います。

しかし、バベルの塔の神話の真のメッセージは必ずしも人間の傲慢を諌めることだけではないというところから出発したいと思います。

それは、20年以上前にオーストラリアの書店で見かけた子供向けの聖書に書かれた解釈でした。

神は、人々がひとところに止まらず、その智恵を世界に広め、繁栄へ導くようにと願い、かれらに別々のことばを与え、世界中に散らしたという解釈でした。

すると、かれらはそれぞれの土地、風土で独自の言葉と文化を育み、多様な言語と多様な文化で織りなす地球文化を生み出しました。

従って、翻訳の精神とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、自立した2つの文化を等距離に置き、等価変換する試みであるとすると、この過程こそ、人間はもともと1つであったことを思い出す試みなのかもしれません。

言い換えれば、智の共有、それが翻訳者の役割。

それは、単なる知(Knowledge)を共有するだけではなく、そこから智(Wisdom)を導き出すことです。

とすると、翻訳ビジネスではどうすれば、望むキャリア、望む収入を得られるようになるのでしょうか。

それには、2つの方法があります。

その1つは、翻訳の分野、専門を徹底して絞り込むこと。
自分だけの専門分野( My domain)を確立することです。
そのうえで周辺の翻訳分野もその対応領域に取り込みます。これは、言わば、戦略的縦展開。
主として、お金を稼ぐビジネス翻訳の領域です。

そして、2つめはその翻訳ジャンルを戦略的に横展開すること。
すなわち、その特化した分野で、
・出版翻訳するだけではなく、
・ライティング(本、記事を書くこと)、
・レクチャー、ティーチャー(教える、講義をすること、翻訳を教えることを含む)、
・リサーチ(レポートを書くこと)等

翻訳の専門分野に基づく自身の領域(Identity)を横に広げていくことです。
これがいわゆるEfficacy、ポジティブな自己評価にもつながります。

翻訳という職業をより強固にしていくためにも、この様な縦横のクロス戦略を実現できれば、しっかりしたブランディングが確立でき、安定収入にもつながります。

何より、翻訳はオンライン、遠隔で学びやすく、働くのも職住同一、在宅勤務が通常のスタイルです。

謂わば、確固たるMission(地球的使命)を背景にもつ、先端をゆくResilient(柔軟性のある)な職業です。

来年の計を決する今この時、最大のリスクは、何もしないリスク、を肝に銘じたいものです。