改訂版 第3回 「翻訳で何をしたいか 」

第3回 Find your own uniqueness―自分さがしの試み

さてこれから、ご一緒にご自身のキャリアサクセス実現シートを作成して行きましょう。

そのプロセスは以下の5つのステップより成ります。今回はその第1ステップです。

  • 【キャリアサクセス実現シート】
  • Phase 1. 自己発見シートの作成 Find your own uniqueness
  • Phase 2. キャリアビジョン作成 Define your own success
  • Phase 3. スキル棚卸しシート作成 Do your own inventory
  • Phase 4. 5年後の未来履歴書作成 Write your future resume
  • Phase 5. 5年間のアクションプラニング作成 Make your action plan

皆さんはすでに、以下のフレーズをご存知でしょうか。
Find your own uniqueness, define your own success.
米国の教育理念の基本コンセプトを表す言葉です。

個々人の個性、長所を見つけ、これを活かすことから、その人生の成功は決まります。

長所伸展法、短所を治すことに時間を費やすより、みずから得意とするところを伸ばす,その方が成功への確率が高い、と言われますが、これも同根の考え方です。

更に言えば、have to からwant to 、何々しなければならないからするのではなく、そうしたいからそうする、という発想です。

日本では得てして、右に倣えの横並び精神が優っていて、人と違うことを嫌う傾向にあるのは今も変わりがないかもしれません。UNIQUNESS、ユニークであることをマイナス評価をするそんな傾向には流されないようにしましょう。

生まれながらに持った固有の特性を活かし生ききることが人間としての生きがいでしょう。

「ジョハリの窓」でご存知のように
・自分も他人も知っている自分
・自分は知っているが他人が知らない自分
・他人は知っているが自分は知らない自分
・自分も他人も知らない自分

なかでも、他人は知っているが自分は知らない自分に驚かされることもあるかもしれません。身近な人にでもいいので聞いてみましょう。
また、この診断を詰めていくと、やがて、自分も他人も知らない自分があぶりだせるかもしれません。

どんな仕事を自分の天職と考え、選ぶのか、これも自分のuniquenessを徹底的に追求することから出会うのかもしれません。

いや、逆に、偶然、たまたま天職に出会った、それが意外と真実かもしれません。

日経新聞に「私の履歴書」というコラムがあることはご存知の方も多いかもしれません。日本が誇るべき人物にその履歴を語っていただく記事です。皆様はこの記事の中で最も多く使われるフレーズをご存知でしょうか。それは、「たまたま」、「偶然」といった表現だそうです。このフレーズは深読みすれば「必然的に」と読み替えることができるでしょう。
世の中を動かしている真実は’たまたま’を’必然’に読み替える仕組みかもしれません。

たまたま’翻訳’というキーワードに遭遇するとします。

そうしたら、次には、‘翻訳’とは何かを深く読み込み、なぜ翻訳をしたいのか、これを徹底的に追求して、どんどん抽象化していきましょう。そこで突き当たる何かが、あなたの使命かもしれません。

以下のSTEP1 自己発見シートで、ゼロベースでご自身を振り返って見ましょう。
STEP1. シート

これを終えたら、STEP2. Define your own success ご自身のキャリアビジョンを描くことに移ります。

この2つのステップがこのキャリアサクセス実現シートの核となるプロセスです。

なお、次のSTEP2は、次号で解説をいたしますので、解答はお待ちください。
全てステップを終え、全てを書き終えたところで、改めて自己評価を試みましょう。

最後に、今さら、キャリアデザインなんて、と年齢を気にしている人がいたら、こんなことばをお送りしましょう。
Today is the first day of the rest of my life.
物事をはじめるのに、早い、遅いはないはずです。

 

WEB雑誌 「The Professional Translator」通巻162号より