改訂版 第4回 「翻訳で何をしたいか 」

第4回 Define your own success―自分のキャリアビジョンを導き出す

前号では「MY OWN UNIQUENESSを探る」と題して、キャリアサクセス実現シートのPhase 1を完成させました。今回、Phase 2では、そのuniquenessに、仕事の満足度の視点を加味し、肉付けしていきます。ここでは、言わばIdentityを再度考えることになります。

そして、Uniqueness +Satisfaction⇒ Identityを導き出し、更に、その仕事、その キャリアのもつ意味、Missionとその仕事を後押しする外部環境、すなわちTrendを考え、その3つの視点の交わる場となる【目標とするキャリア=キャリアビジョン】を求めていくことになります。

そこが、言わば、あなたが your own successをDefine、 定義する場となるでしょう。

  • 【キャリアサクセス実現シート】
  • Phase 1. 自己発見シートの作成 Find your own uniqueness
  • Phase 2. キャリアビジョン作成 Define your own success
  • Phase 3. スキル棚卸しシート作成 Do your own inventory
  • Phase 4. 5年後の未来履歴書作成 Write your future resume
  • Phase 5. 5年間のアクションプラニング作成 Make your action plan

それでは、Phase 1でUniqueness、‘ 自分の売り ’ を絞り込んだあなたはPhase 2では、それに加え、仕事に対して何を求めるか、その満足度、Satisfactionを考えてみましょう。
お金、名誉、地位、専門性、いや私は自己実現、そんな人もいるでしょう。

ところで、みなさんはマズローの欲求5段階説をご存知でしょうか。

基本的な生理的欲求から、安全(安定性)欲求、愛情(所属 / 社会的)欲求、尊敬(承認)欲求、そして自己実現欲求に至る5段階の欲求をマズローは説いています。

ところで、こんなことをご存知ですか。

マズローは亡くなる間際に、欲求を5段階に分類したけれど、人間の欲求には6段階目があるのではと主張したのです。それはTrans-personal、すなわち個人の利益を越える欲求、利他の欲求が最も高度な欲求ではないかと考えたのです。

さてあなたは、仕事に何を求めているのでしょう。これは必ずしもひとつということではないでしょうから、3つ挙げてその優先順位を%で考えてみましょう。

次に、Missionを考えてみましょう。

Social Roleと言い換えても良いのでしょう。

その仕事が、社会にどんな影響をもたらしているのか。

それを考える手がかりになるのは、前号でお伝えした、「抽象の階段を登る」方法でしょう。

その仕事、キャリアが具体的にもたらす利だけではなく、より抽象度の高いところで、その仕事の恩恵を考えてみましょう。

例えば翻訳の場合、できれば翻訳それ自体より、もう一歩踏み込んでどんな分野の翻訳か、絞り込んだうえで、「抽象の階段を登る」ことにチャレンジしてみましょう。

ご存知のように、Missionは日本語では使命と翻訳されます。その言葉の通り、その選択したことは自分の‘命を使う’に値することなのかを熟考してみましょう。

次に、Trendを考えてみましょう。

もちろん、ここでいうトレンドはfadというような一過性にものを言いません。

事象が移り変わろうとも、変わらぬ大きな潮流とも言えましょうか。

これを考えるには、Mission同様に、前に申し上げた具象から抽象への階段を登っていく必要があるかもしれません。翻訳であれば、その分野を絞り込んで考えてみましょう。

細やかな流行の底流に流れる普遍的流れ。

翻訳においてその分野を選んだのはなぜか、その底流にあるトレンドを考えてみましょう。

さて、以上を参考に、まずはみなさんで、この3つの視点の交点となる

【目標とするキャリア=キャリアビジョン】を描いてみましょう。

Phase2の診断に進むには、以下のPhase1の記入を終えてから、次に進んでください。

するとページはPhase2に移ります。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc1.html

Phase 1の解答が未だの方は、今からでも始めてください。

このキャリアサクセス実現シートによるキャリア形成は、ここまでのPhase1とPhase 2が基本となります。従って、このPhase1,2は、一旦すべてを中断してでも、真剣に取り組んでもらいたいステップです。

WEB雑誌 「The Professional Translator」通巻163号より